読書ノート003「ゼロ秒思考」

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ゼロ
同じことをぐるぐると堂々巡りのように考えてしまい、前に進んでいる感じがしない。アイデアを出そうとしても、上司などの他者に否定されそうな気がする、自分には実現できそうにない、やっても無駄かもしれない、という不安が勝手に浮かんできて、アイデアを引っ込めてしまう。結果として、時間をかけた割に深く考えられていない、できの悪いアイデアしか出ない。そして実際に他者に突っ込まれて、考えの浅さが露呈してしまう。更に自信をなくして不安が強まる・・・
 
 私にも経験がありますが、”思考停止”というのはこういうスパイラルに陥っている状態を言うのではないでしょうか?こうした“思考停止の罠”になんか二度と陥りたくない・・・そう思って手にとったのが「ゼロ秒思考」(赤羽雄二 著,ダイヤモンド社)なのです。
 
 
 ゼロ秒思考のタイトルにも現れている通り、著者の主張は、考える時間が長いほどいい結果になるわけではない、ということです。大事なのは仮説をすぐ立て、検証し、修正するというのを素早くやることだというのです。
 
 そんなゼロ秒思考を身につけるための方法として進められているのが「メモ書き」です。時間をかけて、整理して書くのとは反対に、1枚1分、整理しようとせずに頭に浮かんできた考えをそのまま書く、というものです。それになんの意味があるのか、と思ってしまいそうですが、これを練習することで、自分の頭を解きほぐすことになるようです。確かに、私のように不安にかられてついアイデアを引っ込めてしまう癖がある人には、余計なブレーキを取り外すいい練習になるような気がします。そして、書き出してしまえば同じことを考え続ける堂々巡りにもハマりにくくなりそうです。冒頭で述べた私の悩みはきれいに解決するかもしれません!
 
 この本以外にも、「書き出す」ということの効果を謳っている書籍はたくさんあります。エクスプレッシブライティングのように、感情を紙に書き出す、というのも不安を抑えるなどの効果があると言われています。思えば学校を卒業して以来、紙に書き出すということをほとんどしなくなっていました。でも頭の中だけで考えるには、我々の脳のワーキングメモリーは小さすぎるのです!「メモ書き」を通じて、もう一度、紙に書き出す、ということを当たり前の習慣にしていきたい、と感じました。
 
 そんな私は早速、メモ書き用のA4コピー用紙500枚とボールペンをポチりました。著者は1日10ページのメモ書きをすることを勧めていますので、私はそれを実践することにしました。こんな私には大小様々な悩みがありますので、きっと書くことには困らないでしょう(苦笑)。1ページ1分で書く、というのがメモ書きのルールですので、せいぜい10分くらいです。思考の訓練として、また、様々な悩みの解決に向けた1歩として、試してみない手はないと思っております。
 皆様もいかがでしょうか?