読書ノート005 「人生の勝算」

お久しぶりでございます。
しばらく本ブログの更新が滞っておりましたが、再開したいと思います。
つたないブログでございますが、お付き合いいただけますと嬉しく思います。
 
さて、今回は読書ノート5回目としまして、「人生の勝算」(前田裕二著、幻冬舎文庫)について書かせていただきます。
 

1.本書を手にとった動機

 私事で恐縮ですが、私は約10年、会社員として働いてきましたが、「ずっとこのままでいいのか、今の生活の延長線上を進み続けていいのか」、と考えるようになり、新しい道に踏み出そうとしているところです。
 
 前田裕二さんは、非常にストイックで大きな成功を手にされている方だという印象でした。現状を打破したいと考える私は、そんな前田さんの考え方に触れ、学びたいと思い、本書を手に取りました。
 

2.得られた気付き

 本書は前田さんの子供の頃から、ビジネスで成功するまでの経験が書かれたものです。もっとも、前田さんご自身は世界一を目指すという、今よりもっと先を見据えておられるようですので、現時点で成功とは考えておられないのかもしれません。そういった強い想いのもと、非常にストイックに、かといって闇雲ではなく、スマートに努力をされてきた方なのだと思いました。
 
 私自身は、世界一、というような大きなものを目指すつもりもないですし、前田さんほどストイックにはなれないと思いますが、それでも本書から学ぶことは非常に多かったと思います。
 

2.1. がんばり方

 私が特に感じたことは、がんばり方を間違えてはいけない、ということです。成功のためにはがんばることはどう考えても必要なことですが、ただ闇雲に時間をかければいいというものではありません。
 
 本書ではたとえ話として、宝が眠る鉱山を掘って宝石を探るレースがあげられています。
 
 ほとんどの人は山の裾野からこつこつと掘り進めるのですが、前田さんの場合は、まずどこに宝石が埋まっているのか、どうしたら効率的に掘ることができるのかという仮説を立てることに全力を注ぎます。そして、宝石が埋まっている可能性が高いところを見極めてからあとは全力で掘るのです。
 
 思い返してみれば、自分は目の前にあるタスクに取り組むことで、なんとなく仕事をしている感を得ているだけで、本当に仕事の成果に繋がりそうなことに全力を尽くせていない、ということも多々あったな、と思います。宝の山の例を見ていると、当たり前のようにもみえるかもしれませんが、自分を振り返ってみると、できてないな、と気づくのです。
 

2.2.人生のコンパス

 もう一つ、特に印象深かったのは、自分の価値観を知ることの重要さです。前田さんは「人生のコンパス」と表現されています。自分にとって何が大事なのか、どちらの方向に進むべきなのか、これがわかっていてこそ、困難に出会っても乗り越えられるし、共感できる仲間も集まってくるのです。
 
 私が就活をしていたころは、自分の価値観と全く向き合っておらず、内心では自分は会社という組織でやっていくのに向いてないかも、という思いがありましたが、それを押し殺していました。
 周りが就活しているから自分もする、大企業なら安定だろう、大学の専攻分野と近い業界にしよう、という感じで、思考停止状態でした。だから10年経った今、疑問を感じているのです。(まあ時間はかかりましたが、気づけたので良しとしましょう。)
 就活生の皆さんは、こんな私を反面教師にして、自己理解にしっかり取り組むことをおすすめします。
 

3.アクション

 本書から学んだことは多いのですが、まずは一つ、仮説を立てて検証する、というスタイルを身に着けていきたいと思います。具体的には、目の前のタスクに取り掛かる前に、まず5分だけでも時間をとって、このタスクのゴールはなにか、どうやったら効率的に進められるのか、ということを考えることにします。おそらく意識的にこういうことを繰り返していき、やがて自然とそういう思考ができるようになるのではないか、と思います。
 
 もう一つは、「人生のコンパス」を手に入れることです。幸い私はここ半年くらい、かなり自分と向き合って来て、これが自分のコンパスかな、というものが見えてきた気がします。自分の行動や選択が、コンパスの指し示す方向とあっているかどうか、これを意識していきたいと思います。そして時々は、「本当にこのコンパスでいいのかな」と自問してみるようにしようと思います。

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