マルチタスクの幻想

 やることが多すぎていっぱいいっぱい。
 となれば、複数のタスクを同時並行で片付けるくらいでないと間に合わない!
 
 と、思っていた時期が私にもありました。
 
 会議に出ながら別の報告資料を作る、同僚と議論しながら別のメールを書く。
 
 そうすると、頭はとても疲れるし、なんかはかどったような気がする。
 
 でも実際は思ったほど作業は進んでいないし、改めて報告資料やメールの文章を見直すと、誤りや変な表現が多数で結局手直しに時間をとられる。それに加えて、会議や議論の結論がどうなったのかもあやふや。
 
 ただ疲れただけでしたね。
 
 
 人間の脳は、同時に複数のことに集中できるようになっていないんです。同時に集中しているように見えても、本当は高速で注意の対象を切り替える、タスクスイッチングが起こっているだけなのです。注意の対象が切り替わる、ということは、結局集中が持続できていないということですから、聞いてたはずの話の内容が頭に入っていなかったり、ケアレスミスをしたりということになります。脳にも負荷がかかっています。
(例外として、頭を使わなくてもできるような習慣化された作業であれば、何かと同時に遂行することはできなくはないでしょう。)
 
 たくさんの仕事を効率的に片付けたければ、結局、一つずつ集中して片付けるのが一番効率がいいのです。
 
 会議に出て内職するぐらいなら、そもそもその会議に出る意味があるのか?
 同僚と議論しながらメールを打つぐらいなら、同僚に「ごめん!一本メール書くからちょっとまって。」と言えないのか?
 
 自分にとって大事なことを見極めて、それに集中しましょう!
 
 一つのことに集中するためには、To Doリストを作って今やるべきことを整理する、ポモドーロテクニックを使って1ポモドーロ(25分)でやるタスクを一つだけに絞る等のタスク管理術を使うことや、瞑想によって「いまここ」に集中する力を鍛えることなどが有効と思います。
 
 マルチタスクが効率的!
 マルチタスクがかっこいい!
という幻想から覚めましょう!
 
 ちなみに大事なことに一つに集中することの重要性に関しては、以下の本が参考になると思います。
・エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする、エリック・マキューン
・SINGLE TASK 一点集中術ーー「シングルタスクの原則」ですべての成果が最大になる、デボラ・ザック
 

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