読書ノート006 「Brain Driven」

 今回は読書ノート6回目としまして、

「Brain Driven パフォーマンスが高まる脳の状態とは」(青砥瑞人著、

ディスカヴァー・トゥエンティワン)について書かせていただきます。

 

1.本書を手にとった動機

 これまでいくつかの自己啓発本を読んできた中で、人間の脳の性質を理解し、

それを自分にとってプラスになるように利用することで、自己の成長、生産性の向上、

メンタルの安定に繋げられるのということがわかってきました。

 

 そんな折、この「Brain Drivenパフォーマンスが高まる脳の状態とは」に

出会いました。

この本はいわゆるHow to本ではなく、脳の中で何が起こっているのか(What)と、

なぜそうなるのか(Why)に力を入れて解説してくださっています。

Howについては、一人ひとり合う、合わないがあり、

すべての人に当てはめることはできないからだということです。

Howは自分で作りましょう。

 

 そういう本なので、「理屈はいいからどうすればいいか教えて」という人にはあまり向かないかと思います。

私の場合は、「どんなことが起こっているのか理解してこそ、実践の意欲も高まる」というタイプなので、とても関心を持ち、読んでみました。

 

2.得られた気付き

 本書は非常に内容の濃いものなので、ここでは私が個人的に気になったワードだけを取り上げます。 

 

2.1. メタ認知

 自分の感情や感覚に目を向ける。モチベーションにせよ、ストレスにせよ、

コントロールしようと思えば、まず自分の脳がどんな状態であるのか、

客観的に見る必要があります。

 

 「自分は今腹を立てている」と気づけば、怒りのままに言葉を発したりせず、

6秒待って気持ちを落ち着ける、ということもできるでしょう。

 

 「不安な思考が止まらなくなっている」と気づけば、

その不安は一旦紙に書き出して、反芻思考を止める、ということもできるでしょう。

 

 上記の例は、アンガーマネジメントとか、筆記開示といったテクニックですが、

それを使おう、と思い立つためにもメタ認知が必要なんだと思います。

 

2.2. 心理的安全状態

 脳は危険を感じている時には、扁桃体が活性化しますそうするとどうなるかと言うと、前頭前皮質の統制を失い、思い描いた行動を誘導することが難しくなります。「考えてないで逃げろ」「戦え」というようなモードに入り、意識的な思考ができなくなります。こうなると、不適切な行動を抑制できなくなったり、深い思考や記憶ができなくなったり、創造力も発揮できなくなったりします。

 

 例えば、厳しい上司にきつく叱られているときなんかは心理的安全状態でなくなっていると考えられます。そういう状態で色々注意を受けても、扁桃体が興奮状態である以上、上司の言葉は頭に入ってきておらず、「逃げたい」という気持ちだけが高まっていることでしょう。そして、同じ失敗をして前よりきつく叱られる・・・

こんなループに入ってしまうことがあります。これ、自分のことです。

 

 私のようにそんな経験のある方、これはあなたのせいではありません。脳の性質のせいなのです。

「いやいや厳しく叱りつける上司のせいでしょ」と言いたくなる気持ちもわからなくはないですが、

他人のせいにしても状況は何も変わりません。自分にできることは、

叱られることにより受けるストレスをコントロールする方法を実践するか、

苦手な上司から離れて心理的安全状態を保てる場を探すかです。

 

 自分でコントロールできる方法で、自分を安全な状態に置くことが重要なんだと思います。

 

2.3. デフォルトモードネットワーク

 なにかに集中して考え込んでいるときにはどうしてもアイデアが出ないのに、

ちょっと一休みしてシャワーでも浴びているときにふといい考えが思い浮かぶ。

そんな経験をしたことはありませんか?

 

 脳には3つのモードが有り、そのうちの一つがこのデフォルト・モード・ネットワークで、ぼんやりと無意識でいるうちに働きやすい脳のネットワークです。外からの刺激ではなく、自分の内側の情報に意識が向いている状態とも言えます。このモードを活かすことが、クリエイティビティの発揮には重要なことだそうです。

 

 近年、私達の身の回りには情報が溢れ、ぼんやりと過ごす時間は少なくなっているのではないでしょうか?

隙間時間があればSNSYoutubeスマホゲームをするなど、常に何かをしているということが当たり前になってきています。

こうなるとデフォルト・モード・ネットワークの起動する機会はかなり少なくなっている恐れがありますので、あえてスマホに触らずただボーッとしてみる、という時間も確保していくほうが創造的なアイデアが生まれるのかもしれません。

 

3.アクション

3.1. 瞑想する

 メタ認知能力を高めるための方法の一つとして、瞑想がいいと言われています。

メタ認知能力を高めることは、余計な不安やストレスに襲われる危険を軽減し、心理的安全状態を保つためにも役に立つと思います。

さらに、自分の内面に目を向け、デフォルト・モード・ネットワークを活用する訓練にもなるのではないかと思います。

なので、毎日の朝と晩、5分間以上の瞑想をすることを習慣にしたいと思います。

 

3.2.それほど見たいわけでもないYoutubeを見続けるくらいなら、ボーッとしてみる

 Youtubeには有益な情報や、本当に面白い動画も数多くあるのですが、ふと気がつくとそれほど見たいわけでもない動画を次々と見続け、やめ時を見失うことがありませんか?ただ何もせずぼ~っとするのは時間の無駄、と思っていましたが、どうやらそうではないようなので、ダラダラと動画をみつづけるよりは、ただ単にボーッとしてみる、ということを取り入れたいと思います。

散歩をする、自然やアートに触れるというのも、デフォルト・モード・ネットワークの起動方法になっているようなので、ぼんやり自然の中を散歩するのもいいかもしれません。

f:id:kempty:20210328082823j:plain