時間とお金

時間もお金、どちらも大切なものです。無駄にしたくないとは誰もが思っているでしょう。(使い切れないほどの大金持ちは例外かもしれませんが)
時間やお金とどう付き合うか、意外と深くは考えてこなかったのですが、ふと考えてみたので、雑記的な感じで書かせていただきます。
 

時間でお金を稼ぐ

 これは普段から意識されている方も多いかもしれません。基本的には時間を使って労働し、お金を稼ぐ必要があります。時給や残業代のように、かけた時間に対してお金が支払われる、ということが多いですね。
 
 成果主義型の給与体系の企業や、独立起業されている方などは、時間とお金が比例はしないでしょうが、大なり小なり時間をかけてお金を稼いでいるわけです。こういう方たちの場合は、工夫や努力次第で時間単価を上げることができますが、うまく行かないといくら時間をかけてもお金につながらない、という恐れもあります。
 

お金で時間を買う

 反対に、お金を使って時間を捻出することもあります。時短グッズを買う、家事などを外注するなどがすぐに思い当たるでしょうか。
 交通機関を使うこともこれに当たります。飛行機、新幹線、特急列車などは代表的ですが、各駅停車の電車だって、歩いて移動するのに比べればお金で時間を買っているとも言えます。電車じゃなくてタクシーにする、というのもより高いお金を使って、より早く移動するという行為です。
 
 ここで一つ、例を挙げてみます。
 
 例えば、5円安い玉子を買うために、いつもより20分遠い隣町のスーパーまで行くということを考えます。時給15円換算です。これは時間の浪費だ、と感じるでしょうか?確かに、僅かなお金のために時間を浪費してしまっているようにも考えられます。
 とはいえ、運動を兼ねてとか、気分転換も兼ねてとか、そういう目的があればこんな時間の使い方もありだと思います。
 
 時給換算、言い換えると時間単価という考え方は重要な考え方です。ただ、ポイントは「何と比較するか」、ということだと思います。
 
 先程の例では、時給15円換算ならわざわざ隣町のスーパーに行くなんて時間の浪費だ、と感じられるでしょう。
 
 では、いつものスーパーで済ませて時間が20分浮いたとすると、その20分を何に使うでしょうか?大して面白いとも思わないテレビをダラダラ見て過ごす、これは時給15円以下の時間の浪費です。
 
 同じテレビを見るでも、面白いと感じて見るのであれば価値があります。あるいは、スキルアップの時間に使うのも有益でしょうし、家族と過ごすというのも価値があります。こういうふうに時間を使えるのなら、5円安い玉子を遠くに買いに行くのはもったいない、と判断できます。
 
 時間対お金だけでは測れない価値というものもある、ということです。お金を節約したり稼ぎたいなら時間単価はとても重要な考え方ですが、人生、お金だけではない価値がある、ということです。お金のために時間を使う、価値のために時間を使う、このバランスを考えることが重要なんだと思います。
 

お金を使うタイミング

 お金と時間の関係で言えば、時間の長さだけではなく、タイミングと言う要素もあります。若い頃からコツコツお金を貯めて、その後の生活を守る、これは重要なことです。では、若いうちはひたすら我慢して切り詰めて、お金を貯めるというのがベストなのでしょうか?
 
 お金は使って初めて価値が生まれます。お金を使って価値を生む、という行為を、年をとってからに先延ばししてしまっていいのでしょうか?お金を使って得られる価値には、若いうちのほうがより大きく感じられるものや、若いうちでなければできないこともあります。体力のあるうちに世界各国を旅したいとか、スポーツをやりたいとかが代表的です。体力面だけではなく、幼い子供と過ごす体験などもそうでしょう。お金を使うのを先延ばしにしようとしても、後になってからではできない体験もあるのです。
 
 世の中には死ぬときに一番お金持ちになる、という人が多いそうです。お金に価値を生ませないままに・・・
 
 お金は生きていくのに必要なもの、という思いが強く、いくら貯めても漠然とした不安が消えないということなのでしょうか。その思いは間違っていないとは思いますが、少々過剰なのかもしれません。生活を守るためには、実際どれくらいのお金を貯めておけばいいか、計算してみたことはあるでしょうか?漠然とした不安を抱えたままにしておくよりも、たまにはこういう計算をしてみると、有意義に、いいタイミングでお金を使えるようになるのではないでしょうか。 
(こういうことは、「DIE WITH ZERO」という本に書かれています。生き方を考える上でとても参考になる視点だと思いますので、よかったら読んでみてください。)
 

時間とインフレ

 今の100円は10年後も100円です。数字の上ではそれは変わりません。でも、今の100円と10年後の100円の価値は同じではないのです。ものの価格というのは一定ではなく、変化するものです。景気が良ければ物価は上がっていく(インフレ)傾向があります。
 
 例えば、過去を振り返ってみると、私が子供の頃、自動販売機でジュースを買おうとすれば、たいてい100円で買えました。それが今では130円です。他にも、昔からかっていたお菓子が値段はそのままで量が減った、というような経験はないでしょうか。(インフレだけではなく、消費増税の影響も含まれていますが)
 
 このように、お金の金額は変わらなくてもそれと交換できるものやサービスのレベルがだんだん低下していく、つまり、お金の価値が下がっていく、ということがあります。日本は年2%の物価上昇を目標にしています。実際はそこまでの物価上昇には至っていませんが、実現すればお金をただ貯めているだけだと、自然と価値が減っていく、ということになります。
 
 そのため、お金をインフレに強い資産に変える、スキルアップなどに自己投資して将来の収入を増やす、今のうちに価値のある体験にお金を使う、などを考えていかなければなりません。
 

最後に

 思えば時間もお金も大事なもの、という認識はあったものの、それとどう付き合うか、ということを今まであまり真剣に考えていなかったなと思います。特にお金に関しては、将来への漠然とした不安から、貯めることばかりを考えていました。ですが今は、上手に使うことも考えていかなければなと思っています。
 時間とお金、というタイトルで書いてきましたが、もう一つ重要な軸として「体験」というものがあるのかなと思います。将来の自分は過去~現在の体験の積み重ねでできていくものですから、時間とお金の両方を使ってでもしたほうがいい体験、というのもあると思います。そのほうが、節約ばかりを考えるよりも豊かな人生になるのではないかと思います。

f:id:kempty:20210506082017j:plain