自分を知り、自分に正直に生きることの大事さ~私の失敗談~

 自分を知るということがいかに大事で、そして意外に難しいものだということを感じます。自己分析というと就職活動前によくやるものですが、仕事についていろいろな経験を積んだことで自分の考えが変わっていることもありますので、社会人にとっても重要なことだと思います。
 
 私の場合は就職活動のときも含めて、ろくに自分に対する理解を深めようとはしてきませんでした。「自分のことなんかわかってるよ、分析に時間を使う必要なんてないよ」と思っていたのです。
 

1.成り行き任せの自分

 
 子供の頃の私は、なかなか人と馴染めないタイプでいじめられっ子でしたが、勉強だけは得意でした。勉強はそんなに好きだったわけではありませんが、自分には勉強しか取り柄がないと思い、高校は市内では一番の進学校と言われていたところを選び、大学もある程度頑張ればなんとか入れそうなところというくらいの感じで選びました。大学に入って何がしたいとかはありませんでした。
 
 もしかしたら、大学くらいまではそういう方も多いかもしれませんが、私のいけなかったところは就職活動です。まともに自己分析もせず、どこの企業が一番自分とあっているか、なんてことはほとんど考えておらず、なんとなく大手の会社をいくつか受け、次々と玉砕していきました。最終的にはある企業1社から内定をいただくことができ、そこで就職活動を終了しました。
 
 つまり、就職先を決めた最大の理由は、"最初に内定がいただけたから"ということでした。自分のスタンスとしては、「自分には特別好きなことなんてない、置かれた環境で頑張ればいい」というものだったのです。そう思って働いてきました。そんな後ろ向きな気持ちではありましたが、根がクソ真面目な私は、仕事は真面目に取り組み、ある程度の評価もいただけており、順調に昇進もしていました。ただ、昇進に関しては年功序列が根強い企業で、ほぼ年齢に従って昇進していただけであり、自分が認められたから昇進した、という感覚はありませんでした。
 

2.成り行き任せの限界

 
 そして、昇進を機に限界が訪れたのです。昇進というのは普通は喜ぶべきことなのでしょうが、まるっきり嬉しくならなかったのです。むしろ、より重くなる責任に大きな不安を抱えていました。
 
 「今までだって苦しさに耐えて頑張ってきたのに、もっと重くなってしまうのか。給料が多少増えたからといって、それでいいところに住んだり、美味しいものを食べたりしたところで、一時的にストレスを忘れるだけであって大して意味はないだろう。ストレスの増加のほうが圧倒的に重い。そして、そんな生活を定年までのあと30年も続けなければならないのか。今の仕事は、それでもいいと思えるほどやりたい仕事なのか?」
 
 その疑問に答えるために、自己分析を初めて本気でやってみたのです。自分にとって大事な価値観は何か、自分の得意なことはなにか、自分のやりたいことはなにか、自分が身を置きたい環境はどういうところか。反対に、自分のやりたくないことはなにか、苦手なことはなにか、苦手な人や環境はどういうものか、こういう事も考えました。
 
 そして、今のままでは絶対にダメだ、と会社を辞める決意をしたのです。昔から「置かれた環境で頑張ればいい」と考えていた自分が、初めて「自分の幸せを自分で作り出そう」という考えに変わった瞬間でした。今までずっと無意識のうちに自分を知ることから目を背けて生きていたことに気が付きました。
 

3.メンタルブロックを外す難しさ

 
 幼い頃からいじめられっ子でクソ真面目だった自分は、我慢すること、耐えること、そのために自分を押し殺すことが正しいことだという意識が根付いていたのかもしれません。そして、こういうメンタルブロックを取り外すのは、意外に簡単ではないのです。自分自身、嘘をついているつもりは全く無く、「自分を押し殺すことが正しい」という考えが自分の本心だ、と思いこんでいたのです。「生活費を稼ぐためには、普通は会社に入るものだ」という思いもあり、視野が狭かったことも、自分の本心をブロックする要因だったと思います。
 
 私の場合は10年働き続け、打ちのめされてようやく気づきました。このように、自分を知るというのは案外難しいのです。時間もかかります。表面的なやりたいことを出すことはいくらでもできますが、それが本心からくるものかどうか、じっくり自分の内面を観察する必要があります。
 
 そして、私のように視野狭窄に陥らないためには、いろんな人との接点を持つこともいいでしょう。ですが、他人の意見や考えを聞くのは、あくまで視野を広げるためです。答えは自分の中にしかありません。
 

4.終わりに

 
 今回は私が自分を知ることの重要さを思い知るまでの経験談を書いただけですが、意外と長くなってしまいました。ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。
 
 
 また気が向けば、実際どういう自己分析をやり、どんなことに気づいたのか、ということも書くかもしれません。とはいえ、まだまだ今まで通りではダメだと気づいただけで、ここからどう進んでいきたいのか、ということを引き続きじっくり考えていきたいと思います。
 
今回は、自己分析をするにあたって参考になった本を3冊、挙げさせていただき、終わりにしたいと思います。
 
・「やりたいこと」の見つけ方 八木仁
・さあ、才能(自分)に目覚めよう 新板 ストレングス・ファインダー トム・ラス
・超客観力 メンタリストDaiGo

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