習慣化の成否

 人間の行動の約半分は習慣でできています。
 
 朝起きて顔を洗う、歯を磨く、食事をする、着替える、出勤する・・・
 
 自分の求める人生を手に入れるためには、短期間で大きな成果を狙う一攫千金的な考え方よりも、日々の習慣の積み重ねが大事だと思います。一攫千金は例え手に入ったとしても、長続きさせるのが非常に困難です。
 
 昨年から自分ももっと楽しく生きようと思い、いくつかの習慣づくりに取り組んできました。当然、その中にはうまくいったもの、いかなかったものがあります。今回は私の場合の習慣化の成否について書いてみたいと思います。
 

1.私が試みた習慣化

 以下に私が試してみた習慣を列挙します。○は成功、×は失敗、△は取り組み中のものや何度か失敗して再開しているものなどです。
 
1.1朝の散歩・・・○
 在宅勤務が増えていましたので、運動不足解消、メンタル改善、睡眠の質向上を目的としてはじめました。(朝、日光を浴びるとセロトニンが分泌されてメンタルにもいいし、夜の睡眠の質向上にも繋がります)
 最初はコンビニやカフェに行くついでという形で取り入れ、その後は出かける用事がない日も10~15分くらいの散歩をするようになりました。
 効果への期待が大きいこと(メンタル改善と睡眠の質向上はかなり重要視してます)、あまり多く時間を使わないこと、やってみると実際気持ちよかったことなどが成功要因かなと思います。
 
1.2瞑想・・・△
 メンタル改善、集中力向上などを目的に開始しました。最初は特に時間の目標を設けずにはじめて、2~5分くらいだったかと思いますが、今は15分くらいやっており、つい最近17分に伸ばしました。朝と夜の2回実施しています。
 △の理由は、一時期やらなくなっていた時期があったことです。理由としては、早い段階で目標を20分と長めに設定していたので時間が取れない、面倒くさいという気持ちに負けてしまったこと、瞑想していても雑念が次々うかんできて、これで効果があるのだろうか、失敗なんではないかという思いが生まれてしまったことです。特に夜の瞑想をサボることが多かったです。
 再開できた理由としては、2~5分くらいの短時間から始めること、雑念が浮かぶのは失敗ではないことを認識したことがあります。今でも瞑想中にいろんな思考が浮かんできて、今ここに集中できてないと感じることは多々あります。そういうときはその思考に気づいてそっと注意を戻せばいいし、例え注意を戻せなかったとしても、目を閉じてじっくり思考にふけることができたのであれば、それはそれで良かったんじゃないかなと思うようになり、続けることができています。
 
1.3軽い筋トレ、HIIT・・・△
 体と心の健康、脳を鍛えるという目的のために取り入れました。朝と晩に6分ずつの筋トレをやります。2日に1回はHIIT(タバタ式トレーニング)という、20秒全力、10秒休む×8回のトレーニングをしています。
 続けられているのは、やはり非常に短時間で済むトレーニングにしているからだと思います。また、脳を鍛える、というのも私の価値観に沿っています。
 しかし△なのは、夜はサボってしまうことがあるためです。理由としては、私は夜は筋トレよりも睡眠の質向上の方を優先しているため、時間がないときは例えわずか6分とは言え、筋トレを省いてしまいます。
 仕事で帰りが遅くなった日は、とにかく早く睡眠準備を整えることを優先します。あるいはたまにゲームのやりすぎや動画の見過ぎで時間がなくなってしまうことがあります。前者はともかく、後者は改善の余地が大いにあるところだと思っています。
 
1.4ジョギング・・・×
 脳を鍛えるために有酸素運動を取り入れようと始めてみましたが続きませんでした。20~30分のジョギングを週3回くらいやりたいと思っていました。
 続かなかった理由は、時間がかかること、効果をちょっと疑問に思っていることなどがあります。有酸素運動ということでは、既にやっている朝の散歩をもう少し速歩きにすれば十分ではないかな、と思ったり、筋トレにバーピージャンプを取り入れて有酸素運動にもなるのかな、と思ったりしますので、それに上乗せでジョギングをしたいとは思わなくなってしまいました。
 なお、ジョギング自体に効果がないと言いたいわけではなく、有酸素運動30~60分くらいの有酸素運動が脳に良いと書いてある本や研究もあります。
 ただ、今のところ自分は散歩やHIITでと考えていますので、再開の予定はありません。ジョギングがいい、というエビデンスをもっと集めたらやる気になるのかもしれません。(ちなみに私はダイエットに効くというエビデンスがあったとしても惹かれません。)
 
1.5メモ書き・・・×
 「0秒思考」を読んでやろうと思ったメモ書きです。ついつい頭の中でぐるぐると堂々巡りの思考をしてしまいがちな私には、そこから抜け出す思考法を身につけるトレーニングになると思ってはじめました。
 1ヶ月くらいは1日10枚のメモ書きを実施できていたと思いますが、そこからパタッと止まってしまいました。理由は、メモ書きのテーマが思いつかず、考えるのが面倒になったからです。何かを「考える」というステップが入ると習慣は面倒くさくなってしまいがちです。
 しかしメモ書きによる思考のトレーニングは有用だと思っていますので、対策を打って再開したいと思います。
 
1.6寝る90分前の入浴・・・○
 睡眠の質を挙げるために最もいいのが、寝る90分前の入浴です。このタイミングで体を温めておくと、寝るタイミングでいい具合に体温が下がって眠くなり、睡眠の質が上がります。従来はシャワーで済ますことも多かった私ですが、睡眠の質向上に全力を捧げた結果、この習慣が身につきました。
 成功要因はやはり睡眠の質を上げたいという効果への期待が大きかったと思います。それに、どっちにしろ少なくともシャワーは浴びるわけなので、その時間をほんの少し伸ばして入浴することは対して負荷になりません。そして、そのタイミングを「寝る90分前」に調整しさえすれば良いので、追加でなにか時間がかかるわけでもありません。
 

2.成功、失敗要因

 上で挙げた習慣化の例をもとに、どういうときに成功、または失敗しやすいかを考えてみます。あくまで私の場合です。
 
 1つ目のポイントは所要時間です。あまり長い時間がかかる習慣は面倒くさくなってやらなくなりがちです。最初は短時間から初めて少しずつ伸ばすことで成功した習慣もあります。
 
 2つ目のポイントは、その習慣を続けることによるメリットが大きいと感じることです。効果の大きい習慣であったり、その効果が自分の求めるもの、価値観に沿っていることが重要です。私の場合は睡眠の質向上を最優先としたので、その関係の習慣は続いています。また、メンタルの改善や集中力アップも私の求める価値観に沿っており、うまくいきやすい習慣です。(そもそも睡眠の質を上げたいと思ったのも、メンタル改善や翌日の集中力アップのためです。)
 ジョギングが続かなくなったのは、ジョギングをやらなくても他の習慣で十分な効果が期待できるのではないか、と思ったからです。ただし、実際は両方やったほうがもしかしたら効果大なのかもしれません。そういうエビデンスを得れば再開するかもしれません。
 
 3つ目のポイントはほとんど考えることなしにスタートできることです。だいたい頭で何かを考え始めると実行するのが面倒になるというのはよくあることです。メモ書きが続かなかったのはこれが大きいです。朝の散歩や瞑想は特に考えることは必要ありませんし、筋トレも予めメニューさえ決めていれば後はそれを考えることなしに実行するだけです。
 
 4つ目は朝の習慣のほうが続きやすく、夜はダレやすいということです。脳には意志力というものがあり、1日に使える意志力の量は決まっているとも言われます。そうすると、意志力がフルに残っている朝のほうが、変な誘惑に惑わされずに習慣を続けやすい、ということになります。逆に意志力がなくなってくる夜は、動画やゲームなどの誘惑に負けて、習慣を実施しにくくなります。ついつい予定していた時間以上に動画やゲームを続けてしまって時間がなくなる、ということをたまにやってしまいます・・・
 
 
成功要因
・時間をあまり使わないこと
・効果への期待が大きいこと、自分の価値観に沿っていること
・ほとんど考えることなしにスタートできること
・朝の習慣(意志力が満タン)
 
失敗要因
・時間がかかること
・まず考えないと始められないこと
・夜の習慣(意志力が減っている)
 
 

3.対策

 上に挙げた習慣の例の内、メモ書きは失敗していますが、私としてはぜひやりたいと今でも思っています。今後これを実施するための対策案を考えてみます。
 
3.1.テーマ案を事前にたくさん書き出しておく
 メモ書きはテーマを決める必要があります。これを毎日その場で考えようとすると面倒くさくなってやらなくなってしまいます。なので、事前にテーマ案をたくさん列挙しておいて、その中から適当に選ぶ、という形でほぼ思考停止で始められるよう、事前準備をしておこうと思います。
 
3.2.一日3枚から始める
 「0秒思考」の中では毎日10枚が進められています。メモ書きは1枚1分なので10枚でもたかだか10分であり時間としては大して取られません。しかしそれでも最初のハードルはもっと下げておこうと思います。
 
3.3.朝に3枚書く
 意志力がまだバリバリ残っている朝のうちに3枚を書いてしまおうと思います。朝の時間は結構他のルーティーンも多いのですが、3分くらいなら取れるのではないかと思います。
 

4.終わりに

 今回は私の個人的な習慣について、成功、失敗要因とともに書いてみました。習慣化をするときに大事なことは、気合と根性でやろうとしないことです。習慣化に失敗したとき、自分は意思が弱いからとか、次こそは気合でやってやるとか言う発想だと、きっと始めたりやめたりの繰り返しになるでしょう。とにかく自分がその習慣を始めやすいお膳立てを整えてやることが重要なんだと思います。
 
 初める切っ掛けさえつかめれば、繰り返しやっていくうちにほとんど思考停止でも続けられるようになります。
 初めてスマホにしたときフリック入力が使いにくくてしょうがなかったのに今では普通にできます。
 マスクなんて普段ほとんど使わなかったのに今では無意識のうちにつけて外を歩いています。
 やり始めさえすれば、そのうち慣れるもんです。

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