読書ノート011 やり抜く人の9つの習慣、やる気が上がる8つのスイッチ

1 本書を手にとった動機

 今回は「やり抜く人の9つの習慣」と「やる気が上がる8つのスイッチ」という2冊の本の感想を書かせていただきます。これらはどちらもハイディ・グラント・ハルバーソンという方の著書です。コロンビア大学でモチベーション理論を教える社会心理学者の方です。
 
 自分の幸せのため、望む人生を手に入れるためには、物事をやり抜く力、やる気を上げて困難に立ち向かう力が不可欠だと思います。自分もそんな力を鍛えていきたいと思い、この2冊の本を読むことにしました。
 

2 得られた気付き

 タイトルから分かる通り、この2冊には合計17もの方法が書かれているのですが、ここでは私が個人的に特に重要と思ったポイントだけ書かせていただきます。
 

2.1.証明マインドセットと成長マインドセット

 私達は2種類のマインドセットを持っています。
 
・証明マインドセット:自分の能力の証明に焦点を当てる
・成長マインドセット:自分が向上することに焦点を当てる
 
 証明マインドセットの人は、自分の能力が優れていることを他人に見せつけたいので、いつも自分と他人を比較します。そして、自分の弱さをさらけ出すことを避けるため、他人に助けを求めることができませんし、ミスをすることを恐れます。困難にぶつかったとき、不安に押しつぶされ、諦めてしまう傾向があります。
 
 成長マインドセットの人は、自分の成長に関心がありますから、他人の目を気にしません。成長の道程では失敗も仕方がないと受け入れ、困難に直面したときも粘り強く頑張り続けます。
 
 これらのことから、困難に立ち向かい、粘り強くやり抜くためには明らかに「成長マインドセット」のほうが有利なことがわかります。証明マインドセットと成長マインドセットの違いを理解し、自分が前者のような思考や行動をとった時にはそれに気がついて、意識的に後者のように振る舞うようにしてみましょう。このマインドセットというのは、生まれつき変わらないようなものではなく、徐々に変えていくことができるのです。
 

2.2 if-thenプランニング

 「もしこうなったら、これをする」と、トリガーと行動をセットであらかじめ決めておくのです。そうすることで、トリガーが発動した時には、ほぼ自動的に行動ができるようになるのです。とても単純なことのようにも見えますが、if-thenプランニングの効果は実験で証明されており、これをやるのとやらないのでは成功確率が2倍から3倍上がるという結果が出ているそうです。
 
 18時になったら筋トレを始める、20時になったら入浴する、風呂から上がったら瞑想をする、というように時間や前の行動をトリガーにしてもいいですし、不安を感じたらそれを紙に書き出す、というように、自分の感情をトリガーにしてみてもいいです。
 

3 TO DO

 成長マインドセットというのが、特に早い段階で身につけておくべき重要な力だと感じました。自分や人生をいい方向に変えたいと思えば、それが可能だ、それが楽しい、そのために他人の意見を気にしないというマインドを持っておくことは必須条件だと思うのです。
 
 だから証明マインドセットのような思考が浮かんできたらそれをそっと手放して、成長マインドセットかのように振る舞い、成長マインドセットの人が使いそうな言葉を使うように、意識的にそっちに持っていこうと思います。
 

4 最後に

 今回はたった2点しか紹介しませんでしたが、この2冊の本には本当に大事なことがギュッと凝縮されていると思います。どちらの本も分量としては多くなく、100ページに満たなくてさっと読める本なのですが、内容はとても濃いと思いますので、興味のある方はぜひ読んでみていただければと思います。

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自分は変えられる

 大人になるととっくに人格形成も終わって、自分という人間はもはや変わらない。そう思っていないでしょうか?
 
 明確にそう意識していなくても、無意識のうちにいつもと同じ行動を取り続けているかもしれません。これが”習慣”です。
 
 前回の記事でも書いたように、習慣というのは変えていくことができます。習慣が変わるということは、日々の行動が変わるということで、その積み重ねでできているのが自分であり、人生なのだと思います。だから自分や人生は変えられるんです。
 

1.私の変化

 私も数々の習慣を取り入れ、自分の行動、マインド、気分が変わってきたと感じます。
 
 コロナ太りで増えた体重を戻すことができたし、高かったコレステロールの値も下げることができました。
 
 毎日憂鬱に過ごし、自分を責めがちだったところから、気分が晴れやかになり、職場を離れ新たな仕事に挑戦するという大きな決断を下すエネルギーも手に入りました。その新たな仕事をうまく行かせるにはまだまだ行動が必要ですが、ここまででも以前の自分と比べれば大きな変化です。
 
 その変化は急にやってきたわけではありません。小さな習慣をコツコツと続けることで、ある時、花開くんです。
 

2.変わることができるという感覚

 自分を変えていくには、長年信じてきた、自分はもはや変わらないという信念を突破する必要があります。そのために必要なのは、大きなことではありません。なんでもいいから、今までと違う新しい小さなことを毎日やってみるんです。
 
 行ったことのないお店に入ってみる、食べたことのないメニューを注文してみる、いつもと違うルートで歩いてみる、読んだことのない本を読んでみる。
 
 どんな小さなことでもいいので、毎日3つの新しいことをして、それを日記に付けます。こうしているうちに、新しいことをやってみることになれ、それが怖くなく、楽しいことだという感覚が少しずつ生まれます。
 
 これは、メンタリストDaiGoさんの「ポジティブ・チェンジ」という本に書かれていた内容です。私が変わり始めたのもこの本がきっかけだと思っています。

3.新しい習慣づくり

 変われるという感覚が身についてきたら、なりたい自分になるための習慣づくりに入りましょう。
 
 習慣化のコツは、とにかく小さなステップから初めることです。脳は大きな変化を嫌いますから、少しずつやるのが結局最適なんです。
 
 そして、たまにその習慣を実践できない日があっても自分を責めないことです。翌日から淡々と習慣を再開します。できれば、自分を責めずに冷静に、実践できなかった原因を分析してみましょう。
 
 また、私の習慣化の成功と失敗については前回の記事で書いていますので、よろしければこちらも覗いてみてください。

4.おわりに

 現状に不満はあれど、他の道に進んだってどうせたいして良くはならない、だったら今のままでそれなりに頑張ればいい、と以前は思っていました。
 
 でもそういう人生を後何十年と続けると思うと、私は怖くなってしまったんです。だから少しずつでも自分を、人生を変える行動を取っていこうと思いました。
 
 変えたい、でも変われないと思う方は、小さな一歩から始めてみていただければと思います。

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習慣化の成否

 人間の行動の約半分は習慣でできています。
 
 朝起きて顔を洗う、歯を磨く、食事をする、着替える、出勤する・・・
 
 自分の求める人生を手に入れるためには、短期間で大きな成果を狙う一攫千金的な考え方よりも、日々の習慣の積み重ねが大事だと思います。一攫千金は例え手に入ったとしても、長続きさせるのが非常に困難です。
 
 昨年から自分ももっと楽しく生きようと思い、いくつかの習慣づくりに取り組んできました。当然、その中にはうまくいったもの、いかなかったものがあります。今回は私の場合の習慣化の成否について書いてみたいと思います。
 

1.私が試みた習慣化

 以下に私が試してみた習慣を列挙します。○は成功、×は失敗、△は取り組み中のものや何度か失敗して再開しているものなどです。
 
1.1朝の散歩・・・○
 在宅勤務が増えていましたので、運動不足解消、メンタル改善、睡眠の質向上を目的としてはじめました。(朝、日光を浴びるとセロトニンが分泌されてメンタルにもいいし、夜の睡眠の質向上にも繋がります)
 最初はコンビニやカフェに行くついでという形で取り入れ、その後は出かける用事がない日も10~15分くらいの散歩をするようになりました。
 効果への期待が大きいこと(メンタル改善と睡眠の質向上はかなり重要視してます)、あまり多く時間を使わないこと、やってみると実際気持ちよかったことなどが成功要因かなと思います。
 
1.2瞑想・・・△
 メンタル改善、集中力向上などを目的に開始しました。最初は特に時間の目標を設けずにはじめて、2~5分くらいだったかと思いますが、今は15分くらいやっており、つい最近17分に伸ばしました。朝と夜の2回実施しています。
 △の理由は、一時期やらなくなっていた時期があったことです。理由としては、早い段階で目標を20分と長めに設定していたので時間が取れない、面倒くさいという気持ちに負けてしまったこと、瞑想していても雑念が次々うかんできて、これで効果があるのだろうか、失敗なんではないかという思いが生まれてしまったことです。特に夜の瞑想をサボることが多かったです。
 再開できた理由としては、2~5分くらいの短時間から始めること、雑念が浮かぶのは失敗ではないことを認識したことがあります。今でも瞑想中にいろんな思考が浮かんできて、今ここに集中できてないと感じることは多々あります。そういうときはその思考に気づいてそっと注意を戻せばいいし、例え注意を戻せなかったとしても、目を閉じてじっくり思考にふけることができたのであれば、それはそれで良かったんじゃないかなと思うようになり、続けることができています。
 
1.3軽い筋トレ、HIIT・・・△
 体と心の健康、脳を鍛えるという目的のために取り入れました。朝と晩に6分ずつの筋トレをやります。2日に1回はHIIT(タバタ式トレーニング)という、20秒全力、10秒休む×8回のトレーニングをしています。
 続けられているのは、やはり非常に短時間で済むトレーニングにしているからだと思います。また、脳を鍛える、というのも私の価値観に沿っています。
 しかし△なのは、夜はサボってしまうことがあるためです。理由としては、私は夜は筋トレよりも睡眠の質向上の方を優先しているため、時間がないときは例えわずか6分とは言え、筋トレを省いてしまいます。
 仕事で帰りが遅くなった日は、とにかく早く睡眠準備を整えることを優先します。あるいはたまにゲームのやりすぎや動画の見過ぎで時間がなくなってしまうことがあります。前者はともかく、後者は改善の余地が大いにあるところだと思っています。
 
1.4ジョギング・・・×
 脳を鍛えるために有酸素運動を取り入れようと始めてみましたが続きませんでした。20~30分のジョギングを週3回くらいやりたいと思っていました。
 続かなかった理由は、時間がかかること、効果をちょっと疑問に思っていることなどがあります。有酸素運動ということでは、既にやっている朝の散歩をもう少し速歩きにすれば十分ではないかな、と思ったり、筋トレにバーピージャンプを取り入れて有酸素運動にもなるのかな、と思ったりしますので、それに上乗せでジョギングをしたいとは思わなくなってしまいました。
 なお、ジョギング自体に効果がないと言いたいわけではなく、有酸素運動30~60分くらいの有酸素運動が脳に良いと書いてある本や研究もあります。
 ただ、今のところ自分は散歩やHIITでと考えていますので、再開の予定はありません。ジョギングがいい、というエビデンスをもっと集めたらやる気になるのかもしれません。(ちなみに私はダイエットに効くというエビデンスがあったとしても惹かれません。)
 
1.5メモ書き・・・×
 「0秒思考」を読んでやろうと思ったメモ書きです。ついつい頭の中でぐるぐると堂々巡りの思考をしてしまいがちな私には、そこから抜け出す思考法を身につけるトレーニングになると思ってはじめました。
 1ヶ月くらいは1日10枚のメモ書きを実施できていたと思いますが、そこからパタッと止まってしまいました。理由は、メモ書きのテーマが思いつかず、考えるのが面倒になったからです。何かを「考える」というステップが入ると習慣は面倒くさくなってしまいがちです。
 しかしメモ書きによる思考のトレーニングは有用だと思っていますので、対策を打って再開したいと思います。
 
1.6寝る90分前の入浴・・・○
 睡眠の質を挙げるために最もいいのが、寝る90分前の入浴です。このタイミングで体を温めておくと、寝るタイミングでいい具合に体温が下がって眠くなり、睡眠の質が上がります。従来はシャワーで済ますことも多かった私ですが、睡眠の質向上に全力を捧げた結果、この習慣が身につきました。
 成功要因はやはり睡眠の質を上げたいという効果への期待が大きかったと思います。それに、どっちにしろ少なくともシャワーは浴びるわけなので、その時間をほんの少し伸ばして入浴することは対して負荷になりません。そして、そのタイミングを「寝る90分前」に調整しさえすれば良いので、追加でなにか時間がかかるわけでもありません。
 

2.成功、失敗要因

 上で挙げた習慣化の例をもとに、どういうときに成功、または失敗しやすいかを考えてみます。あくまで私の場合です。
 
 1つ目のポイントは所要時間です。あまり長い時間がかかる習慣は面倒くさくなってやらなくなりがちです。最初は短時間から初めて少しずつ伸ばすことで成功した習慣もあります。
 
 2つ目のポイントは、その習慣を続けることによるメリットが大きいと感じることです。効果の大きい習慣であったり、その効果が自分の求めるもの、価値観に沿っていることが重要です。私の場合は睡眠の質向上を最優先としたので、その関係の習慣は続いています。また、メンタルの改善や集中力アップも私の求める価値観に沿っており、うまくいきやすい習慣です。(そもそも睡眠の質を上げたいと思ったのも、メンタル改善や翌日の集中力アップのためです。)
 ジョギングが続かなくなったのは、ジョギングをやらなくても他の習慣で十分な効果が期待できるのではないか、と思ったからです。ただし、実際は両方やったほうがもしかしたら効果大なのかもしれません。そういうエビデンスを得れば再開するかもしれません。
 
 3つ目のポイントはほとんど考えることなしにスタートできることです。だいたい頭で何かを考え始めると実行するのが面倒になるというのはよくあることです。メモ書きが続かなかったのはこれが大きいです。朝の散歩や瞑想は特に考えることは必要ありませんし、筋トレも予めメニューさえ決めていれば後はそれを考えることなしに実行するだけです。
 
 4つ目は朝の習慣のほうが続きやすく、夜はダレやすいということです。脳には意志力というものがあり、1日に使える意志力の量は決まっているとも言われます。そうすると、意志力がフルに残っている朝のほうが、変な誘惑に惑わされずに習慣を続けやすい、ということになります。逆に意志力がなくなってくる夜は、動画やゲームなどの誘惑に負けて、習慣を実施しにくくなります。ついつい予定していた時間以上に動画やゲームを続けてしまって時間がなくなる、ということをたまにやってしまいます・・・
 
 
成功要因
・時間をあまり使わないこと
・効果への期待が大きいこと、自分の価値観に沿っていること
・ほとんど考えることなしにスタートできること
・朝の習慣(意志力が満タン)
 
失敗要因
・時間がかかること
・まず考えないと始められないこと
・夜の習慣(意志力が減っている)
 
 

3.対策

 上に挙げた習慣の例の内、メモ書きは失敗していますが、私としてはぜひやりたいと今でも思っています。今後これを実施するための対策案を考えてみます。
 
3.1.テーマ案を事前にたくさん書き出しておく
 メモ書きはテーマを決める必要があります。これを毎日その場で考えようとすると面倒くさくなってやらなくなってしまいます。なので、事前にテーマ案をたくさん列挙しておいて、その中から適当に選ぶ、という形でほぼ思考停止で始められるよう、事前準備をしておこうと思います。
 
3.2.一日3枚から始める
 「0秒思考」の中では毎日10枚が進められています。メモ書きは1枚1分なので10枚でもたかだか10分であり時間としては大して取られません。しかしそれでも最初のハードルはもっと下げておこうと思います。
 
3.3.朝に3枚書く
 意志力がまだバリバリ残っている朝のうちに3枚を書いてしまおうと思います。朝の時間は結構他のルーティーンも多いのですが、3分くらいなら取れるのではないかと思います。
 

4.終わりに

 今回は私の個人的な習慣について、成功、失敗要因とともに書いてみました。習慣化をするときに大事なことは、気合と根性でやろうとしないことです。習慣化に失敗したとき、自分は意思が弱いからとか、次こそは気合でやってやるとか言う発想だと、きっと始めたりやめたりの繰り返しになるでしょう。とにかく自分がその習慣を始めやすいお膳立てを整えてやることが重要なんだと思います。
 
 初める切っ掛けさえつかめれば、繰り返しやっていくうちにほとんど思考停止でも続けられるようになります。
 初めてスマホにしたときフリック入力が使いにくくてしょうがなかったのに今では普通にできます。
 マスクなんて普段ほとんど使わなかったのに今では無意識のうちにつけて外を歩いています。
 やり始めさえすれば、そのうち慣れるもんです。

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読書ノート010 LIMITLESS 超加速学習

1 本書を手にとった動機

 大人になっても学ぶべきことはたくさんあります。学ばなくったって生きては行けるかもしれませんが、より自由に楽しく生きようと思えば、学習は欠かせないなと思います。そんな学習をより効率的に短時間でできるようになれば、素晴らしいと思いませんか?
 
 浮いた時間でもっと学んでもいいし、好きなことを楽しむ時間に当てたっていい。効率的な学び方を身につけて置くと、人生はより豊かになるのではないだろうか?
 
 そう思って「LIMITLESS 超加速学習 人生を変える「学び方」の授業」を読んでみたいと思いました。もともと私は作業効率を上げて自由な時間を増やすことにはとても強い関心がありましたし、学習効率もぜひ上げていきたいと思っています。
 

2 得られた気付き

 学校ではいろいろな知識を教えてくれはするが、学び方はほとんど教えてくれません。何度も口に出して覚える、繰り返し紙に書いて覚える、努力と根性で反復練習、こういう学習が基本だったのではないでしょうか。本書ではもっと脳の働き方にあった学習方法をするべきだと提案しているのです。そうすることで、今まで限界(LIMIT)だと思われていた領域を突破できるというのです。
 
 限界を突破するためには、限界なんてないんだ、人は変われるという”リミットレスマインドセット”を身に着け、学習したいという“リミットレス・モチベーション”を持ち、学習の効果、スピードを最大化する“リミットレス・メソッド”を知り、活用することがポイントなのです。
 
 おそらく多くの方は学習の方法(“リミットレス・メソッド”)の部分に強い関心があるのではないかと思いますが、脳の力を最大限に発揮するためには、マインドセットとモチベーションも欠かせないのです。自分はもう限界だと思っていたら本当に限界は超えられないし、心に火をつけモチベーションを高めたほうが学習効果は高まります。方法論の前に、ぜひマインドセットとモチベーションにも目を向けてみていただければと思います。
 

2.1 リミットレスマインドセット

 学習性無力感というものがあり、自分は無力だということを脳に刻み込んでしまうと、努力をしなくなり、本当に無力になってしまうのです。
 
 例えば、子供の頃から鎖に繋がれた象がいたとします。鎖は杭で固定されており、そのために子象の行動範囲は著しく制限されています。子象は自由になろうと、全力で鎖を引っ張るのですが、子象の力では杭を引き抜いて自由になることはできません。そしてやがては、自分にはどうすることもできない、と学習し、鎖を引っ張ることをやめてしまいます。時が経ち、象は成長して大人になり、杭を引き抜くのに十分なほどに力も強くなります。しかし、象は鎖を引っ張ろうとはしないのです。子供の頃に思い知ってしまった限界に捕らわれているのです。
 
 我々も学習というものに対して、「自分には限界がある」という思い込みがあるのです。本書では限界に関するよくある7つの思い込みが書かれています。まずは、この思い込みの正体を認識することが、“リミットレスマインドセット”を手に入れるためのスタートとなるのです。
 

2.2 リミットレス・モチベーション

 次に本書では、モチベーションを高めるための方法が書かれています。他の本でも同様ですが、やはりここでも自分の人生の目的を明確にすることが重要と訴えられています。学ぼうとしていることと、自分の人生の目的の方向が合致していれば、モチベーションも湧いてきます。目標の達成ではなく、底に向かうプロセス自体を楽しめるのです。なんのために学ぶのかを自分に問う癖をつけましょう。
 
 また、モチベーションを維持するためには、小さな達成感を積み重ねながら進むこともかかせません。大きな目標は、たどり着くまでの困難に注意が向いてしまいがちですので、小さくて簡単なステップに分解しましょう。
 
 その他には、良い学習習慣を身につけるテクニックや、完全な集中状態である「フロー」に入るための方法などが書かれています。個人的には、「フロー」に入れる確率をもっと高めたいなと思っていますので、練習していきたいと思います。
 

2.3 リミットレス・メソッド

 メソッドとしては、集中力を高める方法、学習効果を最大化する7つの習慣、記憶法、速読法、思考法という観点で書かれています。
 
 物覚えの悪い自分としては記憶法は気になりますし、本をよく読むので速読法も習得したいと思います。思考法としては、”指数関数的な進化をもたらす思考の技法“として書かれており、とても魅力的です。
 
 書かれている方法自体はとてもシンプルで、例を挙げると、記憶法であれば物語にして覚える、速読法であれば指で文字をなぞりながら読み、頭の中で音読する癖を取り除く、思考法であれば色んな角度から物事を考えるための6つの帽子のテクニックが紹介されています。
 
 いずれも一朝一夕で習得可能な記憶法、速読法、思考法ではなく、練習が必要なものです。しかしいずれも、時間と労力をかけてでも習得すれば、人生の長きに渡って役に立ってくれるスキルになるのではないかと思うので、コツコツ頑張っていこうと思います。
 

3 TO DO

 本書は学習の加速方法が幅広く書かれていましたので、取り入れたいなと思うことは多いのですが、記憶法、速読法、思考法は機会があるごとに練習していきたいと思います。特に、速読法を実践する機会は毎日ありますので、まずはここからです。 
 
 そして、挫けそうにならないように、自分には限界なんてないと信じ、これが自分の人生の目的に沿っていることを確認しながら、頑張っていきたいと思います。
 

4 最後に

 本書は限界を超えるために必要なことについて体系的に、広く書かれている本で、大変面白かったです。その反面、広く浅く、という感が否めないのも事実です。特にリミットレス・メソッドで上げた各項目は、別の本を読むとより詳しく書かれているのではいかと思います。例えば、集中力で言えばメンタリストDaiGoさんの「超集中力」が当てはまりますし、記憶法や速読法に関する本は、私は読んだことがまだないですが世の中にはたくさんみかけますよね。本書は限界を超えるための導入としては素晴らしいと思いますので、本書を読んでみて、特に自分が力を入れてみたいと思ったメソッドに関しては、別の本で更に学習してみるといいのかなと思います。

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自分を知り、自分に正直に生きることの大事さ~私の失敗談~

 自分を知るということがいかに大事で、そして意外に難しいものだということを感じます。自己分析というと就職活動前によくやるものですが、仕事についていろいろな経験を積んだことで自分の考えが変わっていることもありますので、社会人にとっても重要なことだと思います。
 
 私の場合は就職活動のときも含めて、ろくに自分に対する理解を深めようとはしてきませんでした。「自分のことなんかわかってるよ、分析に時間を使う必要なんてないよ」と思っていたのです。
 

1.成り行き任せの自分

 
 子供の頃の私は、なかなか人と馴染めないタイプでいじめられっ子でしたが、勉強だけは得意でした。勉強はそんなに好きだったわけではありませんが、自分には勉強しか取り柄がないと思い、高校は市内では一番の進学校と言われていたところを選び、大学もある程度頑張ればなんとか入れそうなところというくらいの感じで選びました。大学に入って何がしたいとかはありませんでした。
 
 もしかしたら、大学くらいまではそういう方も多いかもしれませんが、私のいけなかったところは就職活動です。まともに自己分析もせず、どこの企業が一番自分とあっているか、なんてことはほとんど考えておらず、なんとなく大手の会社をいくつか受け、次々と玉砕していきました。最終的にはある企業1社から内定をいただくことができ、そこで就職活動を終了しました。
 
 つまり、就職先を決めた最大の理由は、"最初に内定がいただけたから"ということでした。自分のスタンスとしては、「自分には特別好きなことなんてない、置かれた環境で頑張ればいい」というものだったのです。そう思って働いてきました。そんな後ろ向きな気持ちではありましたが、根がクソ真面目な私は、仕事は真面目に取り組み、ある程度の評価もいただけており、順調に昇進もしていました。ただ、昇進に関しては年功序列が根強い企業で、ほぼ年齢に従って昇進していただけであり、自分が認められたから昇進した、という感覚はありませんでした。
 

2.成り行き任せの限界

 
 そして、昇進を機に限界が訪れたのです。昇進というのは普通は喜ぶべきことなのでしょうが、まるっきり嬉しくならなかったのです。むしろ、より重くなる責任に大きな不安を抱えていました。
 
 「今までだって苦しさに耐えて頑張ってきたのに、もっと重くなってしまうのか。給料が多少増えたからといって、それでいいところに住んだり、美味しいものを食べたりしたところで、一時的にストレスを忘れるだけであって大して意味はないだろう。ストレスの増加のほうが圧倒的に重い。そして、そんな生活を定年までのあと30年も続けなければならないのか。今の仕事は、それでもいいと思えるほどやりたい仕事なのか?」
 
 その疑問に答えるために、自己分析を初めて本気でやってみたのです。自分にとって大事な価値観は何か、自分の得意なことはなにか、自分のやりたいことはなにか、自分が身を置きたい環境はどういうところか。反対に、自分のやりたくないことはなにか、苦手なことはなにか、苦手な人や環境はどういうものか、こういう事も考えました。
 
 そして、今のままでは絶対にダメだ、と会社を辞める決意をしたのです。昔から「置かれた環境で頑張ればいい」と考えていた自分が、初めて「自分の幸せを自分で作り出そう」という考えに変わった瞬間でした。今までずっと無意識のうちに自分を知ることから目を背けて生きていたことに気が付きました。
 

3.メンタルブロックを外す難しさ

 
 幼い頃からいじめられっ子でクソ真面目だった自分は、我慢すること、耐えること、そのために自分を押し殺すことが正しいことだという意識が根付いていたのかもしれません。そして、こういうメンタルブロックを取り外すのは、意外に簡単ではないのです。自分自身、嘘をついているつもりは全く無く、「自分を押し殺すことが正しい」という考えが自分の本心だ、と思いこんでいたのです。「生活費を稼ぐためには、普通は会社に入るものだ」という思いもあり、視野が狭かったことも、自分の本心をブロックする要因だったと思います。
 
 私の場合は10年働き続け、打ちのめされてようやく気づきました。このように、自分を知るというのは案外難しいのです。時間もかかります。表面的なやりたいことを出すことはいくらでもできますが、それが本心からくるものかどうか、じっくり自分の内面を観察する必要があります。
 
 そして、私のように視野狭窄に陥らないためには、いろんな人との接点を持つこともいいでしょう。ですが、他人の意見や考えを聞くのは、あくまで視野を広げるためです。答えは自分の中にしかありません。
 

4.終わりに

 
 今回は私が自分を知ることの重要さを思い知るまでの経験談を書いただけですが、意外と長くなってしまいました。ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。
 
 
 また気が向けば、実際どういう自己分析をやり、どんなことに気づいたのか、ということも書くかもしれません。とはいえ、まだまだ今まで通りではダメだと気づいただけで、ここからどう進んでいきたいのか、ということを引き続きじっくり考えていきたいと思います。
 
今回は、自己分析をするにあたって参考になった本を3冊、挙げさせていただき、終わりにしたいと思います。
 
・「やりたいこと」の見つけ方 八木仁
・さあ、才能(自分)に目覚めよう 新板 ストレングス・ファインダー トム・ラス
・超客観力 メンタリストDaiGo

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時間とお金

時間もお金、どちらも大切なものです。無駄にしたくないとは誰もが思っているでしょう。(使い切れないほどの大金持ちは例外かもしれませんが)
時間やお金とどう付き合うか、意外と深くは考えてこなかったのですが、ふと考えてみたので、雑記的な感じで書かせていただきます。
 

時間でお金を稼ぐ

 これは普段から意識されている方も多いかもしれません。基本的には時間を使って労働し、お金を稼ぐ必要があります。時給や残業代のように、かけた時間に対してお金が支払われる、ということが多いですね。
 
 成果主義型の給与体系の企業や、独立起業されている方などは、時間とお金が比例はしないでしょうが、大なり小なり時間をかけてお金を稼いでいるわけです。こういう方たちの場合は、工夫や努力次第で時間単価を上げることができますが、うまく行かないといくら時間をかけてもお金につながらない、という恐れもあります。
 

お金で時間を買う

 反対に、お金を使って時間を捻出することもあります。時短グッズを買う、家事などを外注するなどがすぐに思い当たるでしょうか。
 交通機関を使うこともこれに当たります。飛行機、新幹線、特急列車などは代表的ですが、各駅停車の電車だって、歩いて移動するのに比べればお金で時間を買っているとも言えます。電車じゃなくてタクシーにする、というのもより高いお金を使って、より早く移動するという行為です。
 
 ここで一つ、例を挙げてみます。
 
 例えば、5円安い玉子を買うために、いつもより20分遠い隣町のスーパーまで行くということを考えます。時給15円換算です。これは時間の浪費だ、と感じるでしょうか?確かに、僅かなお金のために時間を浪費してしまっているようにも考えられます。
 とはいえ、運動を兼ねてとか、気分転換も兼ねてとか、そういう目的があればこんな時間の使い方もありだと思います。
 
 時給換算、言い換えると時間単価という考え方は重要な考え方です。ただ、ポイントは「何と比較するか」、ということだと思います。
 
 先程の例では、時給15円換算ならわざわざ隣町のスーパーに行くなんて時間の浪費だ、と感じられるでしょう。
 
 では、いつものスーパーで済ませて時間が20分浮いたとすると、その20分を何に使うでしょうか?大して面白いとも思わないテレビをダラダラ見て過ごす、これは時給15円以下の時間の浪費です。
 
 同じテレビを見るでも、面白いと感じて見るのであれば価値があります。あるいは、スキルアップの時間に使うのも有益でしょうし、家族と過ごすというのも価値があります。こういうふうに時間を使えるのなら、5円安い玉子を遠くに買いに行くのはもったいない、と判断できます。
 
 時間対お金だけでは測れない価値というものもある、ということです。お金を節約したり稼ぎたいなら時間単価はとても重要な考え方ですが、人生、お金だけではない価値がある、ということです。お金のために時間を使う、価値のために時間を使う、このバランスを考えることが重要なんだと思います。
 

お金を使うタイミング

 お金と時間の関係で言えば、時間の長さだけではなく、タイミングと言う要素もあります。若い頃からコツコツお金を貯めて、その後の生活を守る、これは重要なことです。では、若いうちはひたすら我慢して切り詰めて、お金を貯めるというのがベストなのでしょうか?
 
 お金は使って初めて価値が生まれます。お金を使って価値を生む、という行為を、年をとってからに先延ばししてしまっていいのでしょうか?お金を使って得られる価値には、若いうちのほうがより大きく感じられるものや、若いうちでなければできないこともあります。体力のあるうちに世界各国を旅したいとか、スポーツをやりたいとかが代表的です。体力面だけではなく、幼い子供と過ごす体験などもそうでしょう。お金を使うのを先延ばしにしようとしても、後になってからではできない体験もあるのです。
 
 世の中には死ぬときに一番お金持ちになる、という人が多いそうです。お金に価値を生ませないままに・・・
 
 お金は生きていくのに必要なもの、という思いが強く、いくら貯めても漠然とした不安が消えないということなのでしょうか。その思いは間違っていないとは思いますが、少々過剰なのかもしれません。生活を守るためには、実際どれくらいのお金を貯めておけばいいか、計算してみたことはあるでしょうか?漠然とした不安を抱えたままにしておくよりも、たまにはこういう計算をしてみると、有意義に、いいタイミングでお金を使えるようになるのではないでしょうか。 
(こういうことは、「DIE WITH ZERO」という本に書かれています。生き方を考える上でとても参考になる視点だと思いますので、よかったら読んでみてください。)
 

時間とインフレ

 今の100円は10年後も100円です。数字の上ではそれは変わりません。でも、今の100円と10年後の100円の価値は同じではないのです。ものの価格というのは一定ではなく、変化するものです。景気が良ければ物価は上がっていく(インフレ)傾向があります。
 
 例えば、過去を振り返ってみると、私が子供の頃、自動販売機でジュースを買おうとすれば、たいてい100円で買えました。それが今では130円です。他にも、昔からかっていたお菓子が値段はそのままで量が減った、というような経験はないでしょうか。(インフレだけではなく、消費増税の影響も含まれていますが)
 
 このように、お金の金額は変わらなくてもそれと交換できるものやサービスのレベルがだんだん低下していく、つまり、お金の価値が下がっていく、ということがあります。日本は年2%の物価上昇を目標にしています。実際はそこまでの物価上昇には至っていませんが、実現すればお金をただ貯めているだけだと、自然と価値が減っていく、ということになります。
 
 そのため、お金をインフレに強い資産に変える、スキルアップなどに自己投資して将来の収入を増やす、今のうちに価値のある体験にお金を使う、などを考えていかなければなりません。
 

最後に

 思えば時間もお金も大事なもの、という認識はあったものの、それとどう付き合うか、ということを今まであまり真剣に考えていなかったなと思います。特にお金に関しては、将来への漠然とした不安から、貯めることばかりを考えていました。ですが今は、上手に使うことも考えていかなければなと思っています。
 時間とお金、というタイトルで書いてきましたが、もう一つ重要な軸として「体験」というものがあるのかなと思います。将来の自分は過去~現在の体験の積み重ねでできていくものですから、時間とお金の両方を使ってでもしたほうがいい体験、というのもあると思います。そのほうが、節約ばかりを考えるよりも豊かな人生になるのではないかと思います。

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読書ノート009 自信がなくても行動すれば自信はあとからついてくる

1 本書を手にとった動機

 
 やったほうがいいとは思うけど自分には無理だろうな。
 できるようになれば役に立ちそうだけど難しそうだな。
 
 行動を起こしたい、起こしたほうがいいとは思っているけど自信がなくてできない、と思っていることがありませんか?私はよくあります。どうせ自分にはできない、とやらない言い訳を探してしまうんです。無意識のうちに。
 
 とはいえ、そんなことでは自分の望む人生を手に入れることはできない、と頭ではわかっています。そこで、失敗を恐れず行動する力を身につけたいと思う私は、この「自信がなくても行動すれば自信はあとからついてくる マインドフルネスと心理療法ACTで人生が変わる」(ラス・ハリス著、岩下慶一訳、筑摩書房)に学ぶことにしました。
 

2 得られた気付き

2.1 自信や恐れに関する“神話”

 
 本書では、自信や恐れに関して一般的に信じられている“神話”を覆すところから始まります。
 
 例えば、「恐れは弱さの表れだ」とういことです。ドラマや映画に出てくる多くのヒーローは、とてつもない勇気を持ち、どんな強力な敵や悲惨なピンチにも恐れることなく立ち向かう姿が描かれています。こういう背景もあって、恐れを感じず立ち向かうことがかっこいいことという認識を、多くの方が持っているのではないでしょうか?
 
 でも本当に恐れを感じない人間なんているのでしょうか?恐れとは原始時代から受け継がれてきた、人間にとって必要な機能なのです。もし、恐れを感じない個体がいたとしたら、おそらくその個体は敵に襲われたり、高いところから落下したり、急流に流されたり、火で焼けたりするなど、多くの危険にさらされて、生き残ることはできないでしょう。
 
 恐れを感じること自体は正常であり、自信とは恐れのない状態のことではないのです。恐れそのものではなく、恐れに対する自分の態度のあり方が足を引っ張るのです。
 
 他にも私達が信じてしまっているいくつかの”神話“をひっくり返すようなことが書かれていますが、この場ではここまでとしておきましょう。
 

2.2 思考と行動を切り離す~脱フュージョン

 
 恐れを感じるのは正常なことであり、ネガティブな思考が生まれるのも自然なことです。心は現状を変えたくないので、何か新しい行動を起こそうとすると、以下のような理由付けを行います。
 
~があるからできない。(障害)
自分には向いていないからできない(自己評価)
あの人は才能があるけど自分にはできない(比較)
どうせ失敗する気がするからできない(予期)
 
 ではそのネガティブな思考とどう付き合えばよいのでしょうか?思考にとらわれることなく、客観視することです。
 
 そのための具体的なテクニックとしていくつか挙げられていますが、例を挙げると「私は~という思考を持っている、と言ってみる」「思考を歌にしてみる」「思考を変な声で再生してみる」「思考がコンピュータの画面に映っているところを想像する」などです。一見、バカバカしくも見える方法ではありますが、気に入ったものがあれば是非試してみてください。
 
 こうしてネガティブな思考から距離を起き、自分に問いかけてみます。
「その行動が、より豊かで満ち足りた、意味ある人生を創造するために役立つか?」
 
 Yesであれば行動を起こすだけです。Noであればそもそもやる必要はありません。Yes,but…と心が言い始めたら、もう一度脱フュージョンしましょう。
 

2.3 価値

 

「その行動が、より豊かで満ち足りた、意味ある人生を創造するために役立つか?」

 

 その問いに答えるためには、自分にとって本当に大切なものは何か、これを明確にしておく必要があります。本書では”価値“と表現されていますが、いわゆる価値観のようなものです。

 

 本書では、成功という言葉を、自分の価値に沿って生きること、としています。価値に沿って生きていれば、結果として例え成果が出なくても、プロセスそのものを楽しむことができるし、失敗(成果が出ないこと)を受け入れ、そこから学びを得ることができます。自分を励ましながら前に進み続けることができるのです。

 

 本書では、自分の価値の見つけ方として、マインド・リーディング・マシーンという、人の心が読める機械が発明された、と想像する方法が書かれています。愛する人(愛)、仕事上の重要な人(仕事)、遊びの上で重要な人(遊び)、自分の体(健康)などの心の声を聞き、その人たちが「自分のことをどう考えていてほしいか」を想像するのです。(実際にどう考えているかを予想するのではありません)こうすることで、愛、仕事、遊び、健康の4分野についての自分の価値を洗い出すのです。

 

 なお、価値観の見つけ方はこの方法に限らず、他の本にもいろいろ書かれていますので、自分にあいそうなものを試してみましょう。もしくは複数試してみて、似たような結果になるかどうかを比較してみると、自分の価値観をより強固に認識することができるようになるかもしれません。

 
3 TO DO
 
 もともと自分はネガティブな思考にとらわれやすい傾向があったと思います。自分は行動力がない、と自分で決めつけてしまっていました。そんな私ですので、脱フュージョンのテクニックを身につけることができれば、飛躍的に成長できるのではないかと思っています。
 
 一見バカバカしくも見えるテクニックたちでしたが、かんたんに実践できますし、誰にみられるわけでもありません。ネガティブな思考が浮かんできたときは、それに曲をつけて歌にしてやろうと思います。
 
 そして、自分の価値を明確にすることに関しては、他の本でも書かれており、既に取り組んでいますが、自分の取っている行動が価値に沿ったものかどうか、折に触れて自問自答することを続けていきたいと思います。

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