読書ノート010 LIMITLESS 超加速学習

1 本書を手にとった動機

 大人になっても学ぶべきことはたくさんあります。学ばなくったって生きては行けるかもしれませんが、より自由に楽しく生きようと思えば、学習は欠かせないなと思います。そんな学習をより効率的に短時間でできるようになれば、素晴らしいと思いませんか?
 
 浮いた時間でもっと学んでもいいし、好きなことを楽しむ時間に当てたっていい。効率的な学び方を身につけて置くと、人生はより豊かになるのではないだろうか?
 
 そう思って「LIMITLESS 超加速学習 人生を変える「学び方」の授業」を読んでみたいと思いました。もともと私は作業効率を上げて自由な時間を増やすことにはとても強い関心がありましたし、学習効率もぜひ上げていきたいと思っています。
 

2 得られた気付き

 学校ではいろいろな知識を教えてくれはするが、学び方はほとんど教えてくれません。何度も口に出して覚える、繰り返し紙に書いて覚える、努力と根性で反復練習、こういう学習が基本だったのではないでしょうか。本書ではもっと脳の働き方にあった学習方法をするべきだと提案しているのです。そうすることで、今まで限界(LIMIT)だと思われていた領域を突破できるというのです。
 
 限界を突破するためには、限界なんてないんだ、人は変われるという”リミットレスマインドセット”を身に着け、学習したいという“リミットレス・モチベーション”を持ち、学習の効果、スピードを最大化する“リミットレス・メソッド”を知り、活用することがポイントなのです。
 
 おそらく多くの方は学習の方法(“リミットレス・メソッド”)の部分に強い関心があるのではないかと思いますが、脳の力を最大限に発揮するためには、マインドセットとモチベーションも欠かせないのです。自分はもう限界だと思っていたら本当に限界は超えられないし、心に火をつけモチベーションを高めたほうが学習効果は高まります。方法論の前に、ぜひマインドセットとモチベーションにも目を向けてみていただければと思います。
 

2.1 リミットレスマインドセット

 学習性無力感というものがあり、自分は無力だということを脳に刻み込んでしまうと、努力をしなくなり、本当に無力になってしまうのです。
 
 例えば、子供の頃から鎖に繋がれた象がいたとします。鎖は杭で固定されており、そのために子象の行動範囲は著しく制限されています。子象は自由になろうと、全力で鎖を引っ張るのですが、子象の力では杭を引き抜いて自由になることはできません。そしてやがては、自分にはどうすることもできない、と学習し、鎖を引っ張ることをやめてしまいます。時が経ち、象は成長して大人になり、杭を引き抜くのに十分なほどに力も強くなります。しかし、象は鎖を引っ張ろうとはしないのです。子供の頃に思い知ってしまった限界に捕らわれているのです。
 
 我々も学習というものに対して、「自分には限界がある」という思い込みがあるのです。本書では限界に関するよくある7つの思い込みが書かれています。まずは、この思い込みの正体を認識することが、“リミットレスマインドセット”を手に入れるためのスタートとなるのです。
 

2.2 リミットレス・モチベーション

 次に本書では、モチベーションを高めるための方法が書かれています。他の本でも同様ですが、やはりここでも自分の人生の目的を明確にすることが重要と訴えられています。学ぼうとしていることと、自分の人生の目的の方向が合致していれば、モチベーションも湧いてきます。目標の達成ではなく、底に向かうプロセス自体を楽しめるのです。なんのために学ぶのかを自分に問う癖をつけましょう。
 
 また、モチベーションを維持するためには、小さな達成感を積み重ねながら進むこともかかせません。大きな目標は、たどり着くまでの困難に注意が向いてしまいがちですので、小さくて簡単なステップに分解しましょう。
 
 その他には、良い学習習慣を身につけるテクニックや、完全な集中状態である「フロー」に入るための方法などが書かれています。個人的には、「フロー」に入れる確率をもっと高めたいなと思っていますので、練習していきたいと思います。
 

2.3 リミットレス・メソッド

 メソッドとしては、集中力を高める方法、学習効果を最大化する7つの習慣、記憶法、速読法、思考法という観点で書かれています。
 
 物覚えの悪い自分としては記憶法は気になりますし、本をよく読むので速読法も習得したいと思います。思考法としては、”指数関数的な進化をもたらす思考の技法“として書かれており、とても魅力的です。
 
 書かれている方法自体はとてもシンプルで、例を挙げると、記憶法であれば物語にして覚える、速読法であれば指で文字をなぞりながら読み、頭の中で音読する癖を取り除く、思考法であれば色んな角度から物事を考えるための6つの帽子のテクニックが紹介されています。
 
 いずれも一朝一夕で習得可能な記憶法、速読法、思考法ではなく、練習が必要なものです。しかしいずれも、時間と労力をかけてでも習得すれば、人生の長きに渡って役に立ってくれるスキルになるのではないかと思うので、コツコツ頑張っていこうと思います。
 

3 TO DO

 本書は学習の加速方法が幅広く書かれていましたので、取り入れたいなと思うことは多いのですが、記憶法、速読法、思考法は機会があるごとに練習していきたいと思います。特に、速読法を実践する機会は毎日ありますので、まずはここからです。 
 
 そして、挫けそうにならないように、自分には限界なんてないと信じ、これが自分の人生の目的に沿っていることを確認しながら、頑張っていきたいと思います。
 

4 最後に

 本書は限界を超えるために必要なことについて体系的に、広く書かれている本で、大変面白かったです。その反面、広く浅く、という感が否めないのも事実です。特にリミットレス・メソッドで上げた各項目は、別の本を読むとより詳しく書かれているのではいかと思います。例えば、集中力で言えばメンタリストDaiGoさんの「超集中力」が当てはまりますし、記憶法や速読法に関する本は、私は読んだことがまだないですが世の中にはたくさんみかけますよね。本書は限界を超えるための導入としては素晴らしいと思いますので、本書を読んでみて、特に自分が力を入れてみたいと思ったメソッドに関しては、別の本で更に学習してみるといいのかなと思います。

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